何を書くか、何を書かないか。

70パーセントはフィクションだと思ってください。

男女の仲で友情は成立しません!!!

調査のための仙台経由した時、急に友人を呼んで酒を飲んだ。前日訊いたとき彼はバイトがあるというから断られそうになったが「なんとかなるかも」とも言うので待ってみた。当日来ることのできた彼を駅前の喫茶店で迎えた。まだトラックに立っていた「春」以来だった。彼は中古物件が中心的ビジネスの住宅・不動産系に就職が決まってて、今はもう走ってない。高校の時のチームメイトだ。高校の頃よりも仲良くなったのが不思議で、割と連絡を取っている。*1

わたしが免許合宿に行くころなので二週間ちょっと前に「就職は決まったか」という連絡があって、決まってない人に聞くのは聴きづらいという後日談も納得できたが、それにしてもずいぶんストレートに聞いてきたもんだなと思った。話は漏れてたんだろう。それを機に今回会おうとなった。ここまできて二人で飲むのははじめてだったので新鮮味があった。わたしたちはともに悪さをした仲と言う訳ではないんだけど、会えばやたらと下品でどす黒いような話になる。「男同士でしかできない話」といえばしっくりくる。わたしたちはこのように性別によって話す内容や態度は変えるし変わるし、その都度に思い付きではモノを言えない。

一つ印象的な出来事がある。わたしたちの陸上部は、一年生の時「物置き」の倉庫で荷物を置いたり着替えたりしていた。つまり一年生にとって「物置き」倉庫が「部室」だった。練習あがりが十九時過ぎだとするといくら夏とて真っ暗でなにも見えなくなる。春から夏、秋、冬と一通りの季節をそんな空間ですごした。

あれは、吐く息が白んでいたので秋から冬にかけてだったと思う。同期の男女が言い合いになっていた。

「男女の仲で友情は成立しません!!!」男子は言う。それに対して女子は「そんなことばっかり言ってるからいつも喧嘩になるんでしょ!」と返していた。「だから○○(名前)は~」と説教垂れられていて男子は心底不服そうだった。澄んだ夜の空気はおいしいはずなのに帰り道のはだいぶ悪かった。ところでその口論は、わたしにとってどうでもよかったが、どちらかというと男女の仲は友情であろうとも「成立してほしい」という希望的な立場だった。どうして希望的な立場にいたかと言うと、わたしたちはよく衝突して喧嘩になった。仲は良かった分、場を楽しめたけどそれ以上に”勝ちたい”という闘争的欲求が支配していて「仲良し軍団はいやだ」とみな口々にした。だから、昼飯がキャベツだけの者もいた。

さきの事は実際、生物学的性差の問題点をなまなましく指摘しているわけではないし、その男子の糾弾する声も一本筋の通ってなかったこともみながよくわかっていた。

そして投げやりになれば「人それぞれでいいじゃないか」と思いたいのも本音である。*2

わたしたちは、彼のなんらかの意図を薄々感じていたからそこまで大事にはならなかった。しかしみんなの中で多分に強烈な印象を与えた出来事の一つではあると思う。現にわたしにとっては、なんだかぼやけてよく覚えていないけれど、随分と長い間居座ろうとしている象徴的な記憶という感じがする。

ジェンダー的には*3「イマドキは男も女も区別なんか(すること)ない」という感じに言えるだろうか。

一方で、恋愛と友情。まったく異なる両者だが、相交えないわけではないとも思う。そもそも「友情」という抽象的心情のレベルをいったい何で表現したらいいのか、頭を悩ませる。たとえば、ふたりきりで密室にいても”何もしない”とか、映画に二人きりで行ったとしても周りから「あれは友情の仲だよね」と言ってもらえる程の雰囲気を醸し出してるとか、挙げたらキリがないのに後悔をする。他人を羨ましがり何かを犯してしまうほどの”体験”に飢えていなかったわたしは、この高校生の時代に異性とどうかかわるかを深く学んだと思う。キャプテンと言う立場からみんなの味方でありたいと思うかげで「よく見せたい」という承認欲求が裏腹にあったことも懐かしいぐらいだけど。わたしが小出しにする数々のエピソードは男女混合の部活動の宿命だと思っていた。

 

そういえば高校三年の秋、当時の彼女と別れて間もないころ同期女子と辻村美月 原作の「ツナグ」を観に行った時、ポップコーンを買う列の背後に元カノがいた。同期女子はコレを「なんて説明すればいいのか…」と頭を抱えていた。「誰に説明するんだ」と心の中で突っ込みを入れた。両手をふさがれていた。重い扉を開け座席にゆったり腰かけた。元カノは、またもやわたしの三列背後のシートにいた。劇中、同期女子はぐっすりと数分間寝ていたがわたしは話に集中できなかった。

 

 

 

追記.

特にタイトルに関して言及できませんでしたが、どなたかいいコメントあったらください。

 

なつの夜風は二人の会話を止めさせない - 勢いあまって

 

よる - 勢いあまって

*1:といっても帰省する時くらいなんだけど。

*2:わたしの思う優秀な学者さんは一般人が「それは人それぞれじゃないですか」っていうことを決してあきらめない、ものだと思っている

*3:いえないかもしれないが