何を書くか、何を書かないか。

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「ウマーベラス」(モンマジ×サンドウィッチマン)とその向こう


MONKEY MAJIK × サンドウィッチマン / ウマーベラス(歌詞付き)

 

 

 こないだミュージックステーションモンキーマジック(以下、モンマジ)が出ていて、久しぶりだなと思った。その横には仙台市出身で漫才師のサンドウィッチマンがいた。彼らがコラボしていたことは、その以前に朝のニュースで知っていたので驚かなかった。驚いたのは「ウマーベラス」のクオリティの高さにだった。個人的に気に入ったから“高さ”といってしまっているのかもしれないのだけど。個人的にはMVの70年代EW&Fへのオマージュが大好きです。「レトロと近未来感の融合がダサさを超えてウケると思う」というのがメンバーのコメントらしい。

 

「全力の悪ふざけ最高すぎる」

「ストレスが吹っ飛ぶ」

「牛タンせり鍋ずんだもち、でちゃっかり仙台をアピールしてるの好き」

「Everything is no calorieのカッコ良さが全てを覆い尽くしてる」・・・・などなど、

 気になったことをすぐにネットの検索網に頼ってしまうのは現代っ子だからかもしれないけど、それはさておいてネット民も一様の「評価」のようで、安心した。僕の実感は突拍子無いわけではないことだけ確認できた。とにかく聞いてみてください。

 

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 私の通っていたA中学校と同じ市内のB中学校(厳密にはその学校の方が家から近いのだけど、学区制というものがあっておかげで自転車で15分掛かるところに通わされた)に、モンマジのメンバーの一人がALTで講師をしていたという噂が流れて、親近感が湧いた(やっぱりあっちに行きたかった)。

 その時期、TVで香取信吾や深津絵里でキャスティングされた「西遊記」がやっていて、その主題歌「Around The World」は皆がみな聴いていた。英語の歌詞は全く口ずさめなかったけど大好きだった。バラードの「ただ、ありがとう」や、ドラマの主題歌にもなった「アイシテル」、ポップソング「空はまるで」などなど、モンマジは常に僕の周り5m以内にいたと思う。

 復興応援ソングの「Headlight」は7年が経った今聴いても胸が震えます。初めてアイフォーンを買った日の11時30分すぎ。12月はじめ。父の車に乗せられて名取から仙台に向かっていく258号線の渋滞の中のFMラジオ。雪は細かいのから牡丹雪に変わり、ワイパーはギュッギュッっと音を立てていた。僕は高校の修学旅行まであと1週間。携帯電話が変えられるということで意気揚々としていた。街は地震から数ヶ月経ち、以前と変わらない日常のような顔を見せていた。でも津波被害にあった地域では依然手付かずで一帯が広がっていた。また仮設住宅は1年も経てば取り壊されるだろう、と皆がふんでいたけれど、結局僕が大学を卒業するまで(つまり少なくとも5年は)そのまま形を残していた。 「Headlight」を聞いてふと我に帰ったように記憶している 

 モンマジを地元のTV局で見ない日はなかった・・・というのはさすがに噓だけど、ラジオのCMなんかではよく流れていた。モンマジはTVというより仙台のFM(Date FM)のイメージが強かった。だからミュージックをシャッフルして、たまたま「空はまるで」が流れると、やっぱり、無性に、とてつもなく「仙台に帰りたくなる」。僕が仙台の街中を大またで歩いているイメージが容易に想像できる。そんな時の仙台はいつも青空だ。今はなき「さくらの」のピンクの看板の向こう側には濃い青空が広がっている。僕にとってモンマジはソウルフードならぬ(意味が少し変わってしまうのだけど)ソウルアーティストという感じなんです。

 サンドウィッチマン地震のあったあの日、番組ロケのために気仙沼にいた。巨大津波を目の当たりにし、どの「お笑い芸人」よりも間近で大地震の凄惨さを体験した。彼らは震災復興に関するイベントには精力を尽くした。あのできごとから6年間経った頃に流された『震災直後に立ち上げた「東北魂義援金」で集めて寄付した総額は4億円にも上る』という報道に対し、「偽善者だ」だの「売名行為だ」という心ないコメントが少なからぬ人間によって飛び交った。でもファンは気にしなかった。仙台で育った僕として彼らの活躍や存在は、ただ自慢であり誇りであり喜ばしさである。大学に進み、いろんな地方の人間と関わるようになり関西人でも、彼らの漫才やコントを悪く言っているところを僕は見たことがない。先に書いたことについて、むろん彼らの「人気度」は直接の関係がないかもしれないけれど。TV番組での各方面からの扱われ方を見ても、「愛されている」感じが伝わってくるんです。

 

 とまあ、おもいでを引っ張り出して彼らへ対する僕の思いをつらつら書いたけど、そんなこと関係なく「ウマーベラス」を聴いてほしいです。元気が出ます。

 どちらからの投げかけ、提案でこの楽曲が成立したのかわからないけど、ノリノリで制作、レコーディングが進んだのは容易に想像できる。 

・・・と思ったら、サンドのぼんやり〜ぬの新OPのために制作されたみたいですね。これもユーチューブで見られます。めっちゃ面白いです

 


サンドのぼんやり~ぬTV【新オープニング曲を制作!!】