何を書くか、何を書かないか。

70パーセントはフィクションだと思ってください。

文章

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書き出しに思いあぐねて、4回ほど消しては書いて繰り返してみる。いま伝えたいことや書きたいことが沢山あるのに、頭は冴えないしその上、手も回らないので、うまく前に進むことが出来ない。(いままで頭が冴え、手も回ってうまく前に進んでいたことなんてあっただろうか?)何かを書き出すために、文字を目で追ってみる。その点、意外なくらいにすんなりと文字を目で追うことはできるが、プツっ、プツっと、、頭の中で何かがうまれては途切れて蒸発していく。よって、何も書けない。行ったり来たりを繰り返す。不毛な時間がサラサラと過ぎていく。砂が突風に吹かれて飛び散るように。行く先はどこだろう?さきの難題を終えてからこの半月ほどで、何かがガラッと変わった。気がする。地元へ帰って、私は何かを置いてきてしまったのだろうか。いま、伝えてはいけないことなのか、書いてはいけないことなのか。思い返すと、それまでの日常が確かなものだったのかさえあやしく思えてくる。高校生と会話したこと。彼らの走りや投げ、跳びを観察していたこと。恩師からの緻密なアドバイス。海の手前に広がる砂浜の光景。夜、窓の向こうに遠く並ぶビル群に光る赤い斑点。ぶつけられるアサヒビールの銀色缶。車の移動に伴ってバサリと落ちる書類。散らばった衣服。先生のいびき。延々と流れる耳にしたことのないダンス・ミュージック。叔母が気合を入れて作った栗金団。雑草が混ざっているような美味くないホテルのサラダ。居間でまどろむ祖父母の寝顔。面白くない漫才。その光景一つ一つが、手のひらからこぼれ落ちてって、今や足元にその跡さえ残さない。今私は焦っているのか、悲しいのか、怒れる気分なのか、楽しいのか、つらいのか、くやしいのか、喜ばしい気分なのか。喉に何かがつっかえたように、咀嚼も嚥下もできない。つまり、判然としない。