何を書くか、何を書かないか。

70パーセントはフィクションだと思ってください。

無邪気さ

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 子どもは無邪気だと純粋に思った。公園にて。

 
 下手くそ過ぎて見ていられない。少年二人は目も当てられないような投球動作と捕球動作をつづける。ロクに相手の胸へ向かってボウルを放れない上、なぜか片方はすぐに座りたがる。バッテリーの真似だ。
 
 ピッチャーマウンドに見立てて、そこに思い浮かべているのだろう。プレートに被る土を靴底で払う仕草は、いかにも馴れた手つきという感じ。少年の背中が得体の知れない雄大さを物語っている。変化球、コースなどサインのやりとり、そのほか間合いの取る真似っこも彼らはやりたがった。2、3球とボウルが安全に往復したかと思えば、いつのまにか片方はこちらに背を向けて、白球ならぬ黄色い柔らかボウルを追いかけていた。それでも、この2人の間に笑いは絶えてない。
 
 
 ことしもいつのまにか、蝉がジージージーと鳴いている。そして風は相変わらずゴーゴーゴーと吹き荒ぶ。蒸れて汗ばんだ皮膚を風が撫でるので、夕暮れ鮮やかな18時の木陰は心地がよい。電車で拾った新聞が風に靡いてバサバサバサバサと音を立てる。あの大きな台風🌀が置いていったのは、うだるような暑さと少年たちの笑顔なのかな。
 
 
 まともなキャッチボウルは成立しないままに、少年AとBはゲラゲラと笑いながら、自転車に跨ってどっかへ消えてった。キャッチボウルは下手くそ過ぎて見ていられなかった。それでもそこに笑顔があったなら、まぁいいのかな。楽しそうだったのでとても混ざりたかった。
 
 
 
 と、ノーコンだったが故にピッチャーを辞めさせられたわたしが言うのでした。