何を書くか、何を書かないか。

70パーセントはフィクションだと思ってください。

短くまとめたい

ドライブとシャンプー - 勢いあまって

 

先月の思い出に辿るようにして、ビオレ(ボディ・ソープ)で髪を洗ってみた。しかし、あの時のようなしっとり感や指をすり抜けるような心地よさは現れてくれなかった。髪を短く切ったことが関係しているのかもしれない。自分の試みを半ば強引に否定されたような気がして、少し残念になった。仕方なく普段使わないコンディショナーをくまなく塗りたくって丹念に洗い流した。あの時わたしが触れたものが今わたしの手元にあるとき、あの日々の記憶を強く呼び起こす。いいのか悪いのかは、別として。村上さんの1Q84の第一章もあの日々の中で読破した。今第二章に手をかけている。あゆみさんが死んだ。強いショックを受けている。天吾が年上のガール・フレンドでなく、ふかえりこと深田絵里子でもなく、幼き日の青豆におもいを寄せているのも、ある意味でショックだった。こうして思い出は良くも悪くも連鎖していく。免許合宿中、応急救護の講義内で校内放送の名前にわたしのがあったとき、まるで心臓が止まりそうになった。今にも応急救護されなくてはならないというくらいどぎまぎした。しかしそれは叱りや退校命令のお呼びではなく、「つくばに帰ったら、ポスティングのアルバイトを集めてほしい」という営業部長直々の”おねがい”だった。理由は、ポスティングを止めた途端、応募者が激減したためだと言う。わたしもようやく人を集め、やっと今日ポスティングしてきた。学生宿舎の集合ポストの上部には、「ポスティング禁止!入れたら通報」というポスターが貼られていた。心情苦しくしながら同期と宿舎を回った。3カ所の宿舎を手分けしていた。終わって合流し、学生御用達の中華料理屋に入った。一時間半携わり、三〇〇〇円頂いた。その上、ご飯をごちそうになった。満足しながら、傍らでは複雑な心境で家路についた。しかしながら、心の中では、あの教習場にもっとたくさんの教習生が集まるといいな、とあの日々生まれ故郷にいながらずっと思っていたことを思い出した。米沢はいいところだ。みんな始めは「なんてまたな変なところに来たか」といいつつ帰り際には「帰るのもさびしいくらいだ」とこぼしていくらしい。タクシーの運ちゃんみたいに話す教官の横顔が懐かしい。