何を書くか、何を書かないか。

70パーセントはフィクションだと思ってください。

ベッドから足を出して寝ること

 このとおり眠りたいのに眠れない。どうです? こんな時間に書いていると切迫感があるでしょ? ある種の説得力というかなんというか。

 

 23年くらい生きているとこの1日眠れなくたってどうってことない気がしないでもない感じがしてきて、そんな自分に驚いている。慣れというものは恐ろしい。

 

 だって中学生の頃は、音楽番組とか見て気づいたら2時3時でそのまま眠れなくて学校に行っていたことがあった。そんな時も「どうってことない」と思ってた。やがて高校生になりある程度の成績・結果を求められるところでスポーツをするようになると「眠れないこと」は毎日強迫観念のような形で頭の中を水浸しにし、翌日のパフォーマンスにあまりよくない影響を及ぼした。はっきり言って、悪い影響を及ぼした。

 

 それはフィジカルなトレーニングのパフォーマンスが低下するだけでなく、この先もずっとこんなことが続いたらどうしよう、俺は死ぬのかな。なんて思い始めるのである。精神衛生的に良くない。やはり睡眠は大事なんだと気付かされる時期があった。

 

 いろいろな本を読んだりインターネットで検索するとこの世の中には3時間睡眠で事足りるショートスリーパーなるものがいるという。もしや自分もそうなのかと思って試してみたけどてんでダメだった。

 

    むしろ頭が冴える!と初めの頃は思ったけど、だいたい1週間くらい経つと14時くらいにブラックアウトみたいなことが起こる。これは本当に恐ろしくて体験したことがある人にしかわからないことだと思う。当たり前だけど。僕は5%に満たない選ばれしものではないみたいだ。誠に残念なことに。

 

 「眠れないなりに僕だって努力していることがある」と言いたいところが、はっきり言ってそれは嘘である。自分でも書いていて何を言っているかわからなくなるが、まとめるとこうである。眠ることを努力すると思うところから間違っている。終わり。

 

    僕は睡眠を努めるものだと思ってきた。だって毎日辛いんだもの。朝起きて、疲れが取れなくて(いやむしろ眠る時よりも疲れている感じがする)起きた瞬間にその日の夜がとても恋しくなるのだが、いかんせん入眠がハードモードという現実に直面し、何もかも放り出したくなる。それでも顔を洗い、髪をある程度直し、歯を磨いて出社しているのだから褒めて欲しい。誰も褒めてくれないけど。

 

 ここに書いているようにベッドに入って数秒で入眠というのは本当にごく稀で、半年に5回あるかないかである。一番困るのはベッドに入って数秒で入眠するも30分で目が覚めるパターンだ。こればかりは僕の手には負えない、どうしようもないことだと思っている。なぜこれが起こるのか考えてみるとだいたいは、①その日にお昼寝をしている ②音楽を聴きながら入眠し、サビか何か盛り上がるパートがやってくる。神様のいたずらとも言えないもどかしい気分にさせられる。

 

 

 ある平日、ランニングをから帰ってきて22時に先輩に呼び出され下北沢に行った。その先輩にはとてもお世話になっていたし、5分で着くし、お腹も空いていたのでラッキーな気分で行った。うまい海鮮料理屋と1皿2000円するカツサンドを出す店に連れてってもらい、そのあとは先輩の家で飲み直した。

 

 飲み直したと言っても僕が勝手に缶ビール3本を飲み、先輩はウイスキーソーダ割りを一杯だけ飲んで、文字通り数秒でぐうぐうと寝出した。アマゾンのスピーカー「アレクサ」の音楽を丁寧に消して数秒で夢の世界に行った。彼はメガネをかけたまま入眠した。

 

 メガネの先輩はあまりにも心地よさそうに眠るものだから僕は少しだけ意地悪をしたくなった。ビールを3缶ほどご馳走になった私は「アレクサ、音楽かけて」と声をかけ、あえて音を大きくし、面白そうなビジネス書を片手に先輩の部屋を出て、ふらふらと帰った。

 

    そのあと先輩は食べたものの何かに当たったのか、たくさん吐いたらしい。ご馳走になっていながら大変恐れ多いのだけどちょっと笑ってしまった。僕はなんともなかったんだけどね。