何を書くか、何を書かないか。

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罪のがれ

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陽の光をたくさん浴びた靴下はあったかいな。相変わらず外の空気は冷えるけれど、窓一枚、薄いカーテン一枚を隔てて陽の光を注がれた靴下は、思いのほかホカホカしていた。あまりにも足が冷えるもんで、靴下を薄いものから厚いものに変えた。天気のいい日。午後2時から4時にかけてうごく陽の光は、窓一枚、薄いカーテン一枚を突き抜けて、机に向かう私の右頬を照らす。よくTVで、長距離トラックの運転手の顔右半分が皮膚がんになってしまうのを見るけども、私もああなってしまうのではないか、いやだなあ、といささか不安になる。いいや、今たまたま思いついただけなんだ。嘘をついた。

この時期は、洗濯物をベランダに出すのさえ億劫になる。他の家がどうか知らないが、私の場合、一旦家の中でハンガーなりなんなりに掛けてから、それを一気に外に出す。なぜ億劫になるのかと言うと、寒くて体が冷えるからではなく、衣類がかわいそうだからだ。びっしょり濡らされぐるんぐるん回されてこってり絞られて「今から乾くぞ!」って時、冷たいベランダに放り出される。あなたは、その外気の冷たさを想像しただけで、おぞましくならないかい。あまりにも残酷だ。でも、私たちは日常的に、当然のように。それに加担する。私は時々、そんなことの罪のがれに、濡れて回され絞られた衣類たちをエアコンの風が当たるハンガーラックにかける。温風を当ててあげる。これがまた、いい匂いを放つんだ。近いようで遠い、そんな春を待ちわびながら今日も右頬を照らされ、机に向かうよ。強い風は早く止んでほしい。

 

 

 

 

 

 

プレゼンの準備いやだ~