何を書くか、何を書かないか。

70パーセントはフィクションだと思ってください。

『シューカツ!』①

オリンピック中継をBGMにしていっきに読み切った。

 

 

 

石田衣良さんの『シューカツ! (文春文庫)』。

男女7人の学生がプロジェクトチームを組み就活戦線を乗り切ろうとする成長小説だ。就活をするのにどれだけの時間を要するだろう。彼らは一年掛けて準備した。舞台は都内の私立大学で、イタリアンレストランでチームを結成するところから始まる。みながマスコミ業界を目指すサクセスストーリー、ということでわたしはこの本を手に取った。というか、先輩に借りた。その先輩は先月末結婚した。もちろん物語の結末はここでは控えるが、読みながらいろいろなことを思い出し、考えさせられ、決意を改まった。

 

就活も終盤に差し掛かってきた。と、思いたい(笑)あと2週間で決まるように、整理するのもふまえて振り返っていきたい。

 

 

「就活」ということばに何度踊らされたことだろう。

振り返るとわたしは一年次の頃の「キャリア・デザイン」を受講したところから「就活」は始まっていたと思う。まわりもテレビも言っていた。「大学は就職するためのところではありません」。極端に言えばそのためのところではない、というのは言わんとすることは分かるが、就職する=手に職をつけるための知識を得る=学問を体得するという流れとしては、学問=武器を手にするために大学に通うというのは間違いではない。さまざまな価値観がある。その価値観を多様な形に捻じ曲げ社会化させるのが就職活動の、新卒一括採用という制度である。

 

嫌なことだらけだけど、勉強になることもたくさん。出合いとか。

地方議員を務めて起業した人、研究所を渡り歩き大企業の人事部に落ち着いた人、一方では名だたる大手企業を渡り歩いた末フリーランスで手に職をつけた人もいる。留学するために一年間非常勤講師を務めた人はその人はいま自分の会社を持っている。あとは、記者になりたい夢を押し殺すようにして営業部副部長にまで上りつめた女性とか。個人的に、たくさんの人と出会って話をしてきた。誰誰のどれがいいとか悪いとかじゃなくて、本当にたくさんの人の話を真っ正面からきいてきた。そこには、いろいろな思想や価値の扱い方《→わたしの思う価値観》があった。人はすこしでも心を開くと「語り」だす。本音と建て前をうまく使い分けながら、時には人生の先輩として、人によってはひとつの大学の先輩としてアドバイスしてくださった。

 

 

つづく