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ものは生きていると「におい」がするんですよ

 

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昨晩から吹き荒れた暴れ風は、きょうになりあたたかい雨と空気を運んできた。きょうの日中は汗ばむほどの陽気に見舞われた。いまは、とんがった月も雲間に見え隠れしている。あたたかった、とにかく暖かかった。半袖半パンでトレーニングできるほど。

 

たくさん汗をかいた。はて、どれくらいだろうか。1ℓか、2ℓか。ひとの睡眠時はだいたい平均して500mlの汗をかくらしい。「1ℓのあせ」なんてのは少しいやらしかったので題名にするのはやめた。いまは暦の上では春にあたり、カレンダーの上では二月だ。

 

だが、きょうは春というより枯れ草の舞う「秋寄りの夏」を思い起こさせるような、そんな一日だった。吹きすさんだ雨風はのぞいて、きょうみたいな日が続けばいいのにと何度か思ったけど、本日のトレーニングが格段とキツかったのでやっぱりそうは思わないことにした。

 

僕の中で、いろいろとキィワードにしたいことばがあるんだけども、その一つに入れたいくらい「におい」には特に思い入れがつよい。調べてみると「におい」は目で見るものよりも記憶に結び付きやすいみたいで、情報の伝達経路がほかの触覚と異なっているらしい。まあそんな細かいことは僕にとってどうでもいいんだけどね。

 

とにかく、ものの持つ「におい」と情緒とのリンクが、たまに僕をとてつもない感傷に浸らせることがあって、その度にたまらなくなる。

 

安易に「ノスタルジーな」とか言ってしまいたくないんだけど、その含んでいるなつかしさ、なにかを失った悲しみ ーもうあの時には戻れないみたいなー 感じが襲ってきつつ、でも、ともに成長しようよと言って寄り添ってくれて強くなれる気がする。あくまで、僕は。

 

さんざん出すけれど、岸さんの大好きな著書「断片的なものの社会学」に載せられているepisodeのひとつに、ある夫婦の生活の一部を描いた架空の話があって、あれがたまらなく好き。永遠に失われてしまうモノの物語性に焦点を当てて「ロマンチック」や「ノスタルジック」について書いているもの。あえてここでは引用をしないけれど、本当にあの文章だけで泣ける自信がある。気になったら読んでください。僕からのお願い。

 

よく「それってドラマの世界じゃん!」とかいうけれど、僕はそこまで誇張されて表出されたものでなくとも、そこらへんにいるような、ごくふつうで、ありふれているようなひとの ーふつうという言い方にも語弊があるけれど、ごめんなさい。皆さんのことを指します。ー  生活感あふれるそのものに「物語性」や「ドラマ性」が見いだせると思っている。

 

そこで面白いのが、テレビ東京の「家、ついて行ってイイですか」。大好きです。これについてはおいおい書くこととして。「生活感」って人間が生きてる以上 (亡くなってもだけど) 切り離せないし、その人の性格やらパーソナリティが出るとかもいうし、僕にとっては「生活感」も興味深くて良いキィワードになる。

 

 

断片的なものの社会学

断片的なものの社会学

 

 

 

僕はきょうの昼休憩に、片耳にはEW&Fの「Boogie Wonderland」を、もう片方ではradikoを使いラジオ番組を聴いていた。そこで、ある番組のゲストに 著名な登山家の一人として数えられる野口健さんが迎えられていた。そこでは、とある高山に挑んだときのepisodeについて話していた。そこは当たり前だが、雪が一面に広がる極寒の山間部。話はそこで休憩?をしていたときのこと。

 

登頂したのかどうか聞き逃したが、寒い所ではいかんせん生き物は住めないし育たない、つまりは生きられない。殆どの動植物は繁殖をできない。目の前に広がり存在するのは、雪か岩かそして大きな空か、かろうじて酸素か。あるものはそれくらいで、なにもないといったら変だけど、そんな何もないところでは匂いはしないんだそう。その語られる「無臭の世界」に魅かれて、すこし聞き入っていると「ものは生きているとにおいがするんですよ。」と野口さんがまとめた。パーソナリティーが無能だったのかあまり触れられずその話題はすぐに流されたが僕にとってとても興味深い面白い話だった。


「はぁ~~」と3度ほど頷いて納得した。

 

においがするのは生きている証拠なんだな。としみじみした。風になびく樹々から香ばしい匂いがするのも、電気のついたお家からは美味しそうなカレーの匂いがするのも、暖かい陽が差せばどこからともなく夏らしい匂いがしてくるのも、全部それぞれがそれぞれの局面で生きていることを示している。


昨晩、眠れなくどうしてもやってしまいたいと思って起き上がり部屋の片づけと模様替えを、真夜中のテンションでしてしまった。部屋が片付けば自然と部屋に帰りたくなる。部屋が散らかっていれば自然と帰りたくなくなる。片付いた部屋に入ってみると、今まではしなかったような芳香剤のいい匂いがきちんと充満していた。生きた心地がした、気がしたのだった。


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