アライマサノリのブログ

79パーセントはフィクションだと思ってください

ありんこ その1

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 その店「ありんこ」という。店内は常にどたばたしていて、といっても奥さんがなんだけど非常に慌しい。たまに鋭いぼやきが調理担当の主人をつらぬくので、僕の心はいつも静まらない。その慌しさは他のお店と何かが違う気がしたのでちょっと考えてみた。 

 村上さんはかつて週刊誌に定期的なエッセイを寄稿していたんだけど、それがよくまとめられた文庫本を3冊ほど読んだ。まさしく、これこそ! どこから読んでもいい。それでね。どこの何で書かれていたかちょっと思い出せないのだけど、村上さんが「いい店」と感じるところの基準のひとつには「店で音楽がかかっていないこと」らしい。本人はかつて、ジャズ喫茶をやっていたのだから全く反対なのでは? と思ったけど、「余計な情報が入ってこないからいい」というのである。言い忘れたけど、バーに限ってだそう。へぇ、って感じ。

 読んで以来僕は、いろんな店に入るたびにそこがどのような音楽をチョイスし、どのようなジャンル、音量、タイプなのか意識するようになってしまった。店内の音楽に意識的になってから(音楽がかかっていないという意味での)無音のお店に出合ったのは、おそらくこの店「ありんこ」が初めてかもしらない。それでさぁ・・・。

 

つづく