「僕」と「私」と「わたし」の記録

87パーセントはフィクションです

迷い込んだような

 

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あたらしいアルバイト先を見つけ、きょう面接してもらった。店に着くなりうろうろしていると、店主と思しき男性がお店の脇に生えた草を背中を丸め刈っていたのが見えたので近寄ってみた。

 

 

ずいぶんはやいね。店の中に入って待ってて頂戴。自転車、そこらへんに、ん、あぁ店の裏にでもどうぞ。

 

結局、案内してもらった。

 

 

 

お店の外見も中も、Final Fantasyの世界のようでいろんな意味で趣があった。

オープンになったカウンターには長机にそって8席分ほどの椅子が並んでおり、その背部にテーブル席がいくつか設けられている。綺麗な黒光りのしている木製のカウンターの端っこに座らせてもらい、まだお客さんいるから少し待っていてねと紅茶を出された。さっそくいいところにあたったんじゃないのと嬉しくなった。白いティーポットにティーカップを目の前に、何をしていればよいかわからず今日の分の練習日誌を書いていた。

 

 

お昼ご飯はたべたの?

あ、あ、少し食べました!

 

 

いかにも「いらないかい?」というニュアンスで聞かれてたので、驚きたじろいでしまった。答えも答えで、「少し」ってなんだよと思ったけど、なんだったら食べるの忘れてましたとでも答えればよかったかなと後悔した。

 

 

30代中盤の女性3人が、お母さん同士のランチ会みたいなものを開いていた。話していることは聞こえなかったが、いかにも楽しそうだった。少し経ちうしろからカランカランと鳴ったので振り返ってみると、制服を着た女子高生が二人入ってきて、こんな年ごろでお昼時に来るのかと思ったけれど、すぐ後からお母さんと思える女性が「予約に遅れてすみません!」と名乗りながら入ってきたので安心をした。そういえば、明日から二日間センター入試だ。うちの大学も会場になるということで、今日から準備のために休校で、また月曜日も採点日ということで休みになっている。ただでさえ授業数が少ないので困るばかり。

 

 

 

こんにちは。ええと、どうもすみませんね遅れて。

いい名まえしてるね。長男?そうでしょ。名まえでわかったもの。

 

うちはね、土浦市(お隣の市)で6年やって、突然締めてこっちにやってきたんだよ。でもねその時来てくれてたお客さんは移転しても見つけてやってきてくれるんだよ。おかげさまで、こっち(つくば市)では10年続いているね。お客さんのおかげだよ。

 

うちはね、ネットで売り出したりはしてないんだ。だから全部ね口コミだよ。全部。本気でお客さんにおいしいものを提供出来たら、自然とそれは口コミで広まるもんだね。だからいまでもやってこれてるよ。商売はむずかしいね。覚悟がないとやってけない。大学の周りにもたくさん飲食店があるだろう。でもすぐつぶれる。覚悟がないんだろうねきっと、気持ちが軽いんだね。トレーニングも一緒だろう。本気で練習しないと、さ。テキトーに走る100本と集中して走る10本と全く違うだろう?それと同じだよ。

 

 

白髪頭の店主は見た目は本当に優しそうなおじちゃんだけど、その中のものはすごくしっかりしていて、話を聞いていても説得力があった。まさか、アルバイトの面接でこんな話をするとは思ってもいなかった。僕も熱心に頷くもんだから、話したくなったのかな。

 

 

 

営業であったりは何時までやっていますか?と聞いたところ、

ここらへんね暗いんだ。だからね、夜は9時とかに返しちゃうの。ごはんたべさせて返しちゃうの。でも男だから大丈夫だね。大学も、周りは本当に暗いね。木ばっかりで街灯が無くて、アホだね。変なのもでるでしょ。あいつらもアホだね。

 

 

 

 

新境地を拓けそうだ。名まえを褒められたのが素直にうれしかった。髪をバッサリ切って家路についた。

 

 

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