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「時間があるときにはすきなだけ遊んで、特に銀座の街を歩くのよ」 きょうの事

 

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  集合場所に着くと、スーツを身にまとった学生と思える男女が、テーブルを囲みソファに腰かけていた。近づいてみると、すでに彼らは話している。ああ、いきなりこんな場面に出くわしてしまった。と思いながら緊張気味で近寄ってみると、隣に座った女子学生が気さくに話しかけてくれた。

 

「なんか今日、集団面接みたいですよね?」「え?何も聞いてないです。集団面接ってなんですか?」「(笑)。わたしも、何って感じです。」

 

  その向こう側にはひとつ席を空けて中央大学の男子学生が、数分経った頃に、もうひとりきれいな女子学生がその空いてるところに腰かけた。隣に座った方は、大阪から来ているというので「どちらの大学ですか?」と聞くと「立命館です、知ってます?」といった。

 

 「もちろん知ってます、でも京都じゃないんですね」

 「そう!大阪のキャンパスはめっちゃあたらしくて、スタバ(→↗↘)もあってやばいんです!」と興奮気味に答えてくれた。スターバックスコーヒーはうちの大学の図書館に併設されているが、それは言わないでおいた。

 

 

 「スタバ(→→↘)じゃないんですね」

 「え!そんな違います?!これ関西だからですかね」といって、隣に座ったもうひとりの女子学生に確認を取っていた。次いで、もうひとつ先の男子学生にも確認を取っていたが、自分が少数派であることは変わらなく驚いていた。ちょっと間をおいて向こうにいた中大生は「マックもマクドとか言ったり...?」というと「わたしホントのこと言うと出身は宮崎なんです。だからマックはマックなんだよね。でも周りはセブンのことセブイレとかいうしよくわかんない。知らないうちに使ってるかも。」と流ちょうに答えた。関西人にはなりきれていないかもしれないが、そんな感じのイントネーションで話すので、そうもいわれなければ、この人は関西人だと認定することが出来る。かく言うわたしは、東北人なのであるけれど。

 

  わたしは大学に来て、たくさんの人と出会った。在籍している陸上競技部には、比較的「宮崎出身」が多いのでそれも伝えると彼女はうれしそうにした。「筑波ってなんも知らないから、、、」と言いながらも自分のことをつぎつぎと話してくれた。西日本を転々としているのに「なぜ東日本なのか」というと「日本全国を知りたくなったから」と豪語する。たしかに、宮崎からはじまり大阪へやってきて、東京に支社を構えるその企業の最北端の支局といえば「青森支局」。たとえば、そこまで行ったら日本を縦断したと胸を張ることが出来る。「おもしろいひとに会ったな」と思った。

 

  担当の人に呼ばれると、すぐ近くの会議室にいれられた。3列に並んだ机1つにふたり掛け。前から詰めると、またしてもさっきの「おもしろいひと」の隣にあたった。さっきよりもやや緊張で顔をこわばらせていたので「顔こわいですよ」というと「そんなこわくないですよ」と言って笑い、すこし和んだようだった。会議室の正面には(想像のなかの)「プロデューサー」みたいな男性が右側に座っていて、真ん中にはスタイルのいい女性がマイクをもって立っていた。

 

  P男性が、ちょっと時間あるからと宣言し「きょう、お昼ご飯食べれなかった人!」と聞くと3人ほど手を挙げて、いちばん前に座った男子学生に理由を尋ねた。男子学生は「時間が無くて...忙しかったです」と答えると「ふつうかよ!」と突っ込みを入れていた。次いで、わたしは右端の前から2列目の机に座っていたのだけれど、おもむろに男性がわたしを手で指した。「さては、その顔のキズを見るところ、ラグビーかアメフトをやっているな?」と質問されて「ご期待に添えずに済みません。陸上競技です。」と答えると「ええええ、じゃあ走って転んだりしたの?」とスタイルのいい女性がすかさず訊くので、わたしはことの顛末を話すことにした。一連の流れを話すと「陸上カンケーないじゃん!!!」というお決まりをいただけたのでよしとする。

 

 

  また、次に「きょうが面接はじめての人!」と男性が言うと、いちばん最後にやってきた小太りの男子学生が手を挙げた。緊張をほぐす方法を誰か教えてやってと促されて数人が手を挙げた。そしてわたしも手を挙げた。「なんのアドバイスですかね、みんな隠し持ってるんだろ、おしえてやれよ」その空気が独特すぎて、うまく言い表すことが出来ない。その後、お二方のフリは5分ほど続けられてそのお陰か、場の空気があたたまった。

 

  「最後に何か聞いておきたいことはあるか」というお題に対して、一人の男子学生は「選考過程で何を見ているか」という質問を投げつけていたが、どこでも聞いたことのある内容であまりにも面白くなかったので、わたしは何を思ったかスタイルのいい女性に対して「その美貌はどうやって保っているんですか」とたずねてしまった。すると、そのスタイルのいい女性はうれしそうに、「え?え?何?もう一回言ってちょうだい。」と言うので「なんかすごく仕事ができる感じで、忙しそうなのにどうやってそのいいスタイルを保っているのか気になって」と付け加えると、懇切丁寧にこまかいことを教えてくださった。まとめると、理由としては「常に最先端のものに触れることを意識すること」と「時間があるときにはすきなだけ遊んで、特に銀座の街を歩くのよ」ということらしい。

 

  自分への ごほうびにスターバックスコーヒーでドリップコーヒーを買って帰った。

ああぁ、One More Coffeeサービス素晴らしき。

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