何を書くか、何を書かないか。

70パーセントはフィクションだと思ってください。

身体をかんがえてみること。西洋的近代化にふれることができたなら

 

きょうは珍しく、タイトルを先に置いて書きはじめてみた。いつもは、つらつらと本文を打ってから仕方なしにタイトルを決めるようにしている。もっと読みたいと思えるタイトルをつける能力を僕が備えていればと思うのだけど、どうやらそこに力を注ぐ程の気配りはできないらしい。大々的に言ってしまった、と既に感じている。タイトルにかけられるプレッシャーはなんか嫌だ。本末転倒ではないかとつい矛盾的に思ってしまう。

 

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ちょうど一年前にダンス公演があった。昨日、後輩たちがそれに出ていて強制的に思い出された。本来は4年生のための卒業ダンス公演なのだけど、それにひっつくようにして、1年生2年生も授業の一環として成果を求められる。そのための練習は、はやくて年明けの授業開始日から始められる。夜は8時半~10時。それを平日はほぼ毎日。約一か月間、トレーニングもテスト週間も関係なしにレッスンは突き通される。

 

よく頑張ったと思う。厳しいレッスンも残りを3回ほど控えたころから、レッスン場の「空気」にさびしさが滲み出す。あとすこしあとすこし、完成度が高まり本番が近づくのと比例して、「まだやりたい感」がぐいぐいと顔を出す。迎える本番は文句なしの出来栄えで事なきを終える。(そしてみんなが涙する)舞台袖にて暗くて見えづらかったガラスの破片を踏み、足から流血したことも今となってはいい思い出だ。

 

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指導してくださる先生は今年定年退官されるそうで、最後に一度挨拶をしたいなと考えている。筑波大学附属中学の校長先生もされていたそう。

 

 

「体ほぐし」が拓く世界―子どもの心と体が変わるとき

「体ほぐし」が拓く世界―子どもの心と体が変わるとき

 

 

 

 

さて、そこで本題。

 

「みんなはね、音楽をよく聴くでしょ。日本のもの以外にも聴くわね。そうそう洋楽を聴くでしょ。でもキチンと聴けてないのよ、私からすれば。みんなは耳でだけズンズンしてる。でも彼らやわたしは違うの。耳から入ってきて、腰、臍まわりでズンズン聴くの。」

 

 

村田先生が講義やら、レッスンやらで耳にタコができるほど、口酸っぱくして言っていたこと。これはマイケルジャクソンのMVを観ながら講義していたやつだったかな。ここで言う彼らというのは、肌が白かったり黒かったりする主に日本人ではない人。(あまり日本人ではないとか外国人とかいう差別的な言葉は使いたくないけれど、ここでは決定的な違いを指摘するためなので堪忍です)

 

彼らの動きは、耳から入ってきたものは体幹部を伝って「丹田」と呼ばれる臍まわり・腰へと届き、音が目に見えるように表現している。一方で、古くからあるような日本の文化は逆で、身体はなるべく無駄に動かしてはいけないという発想なので近づくのに難しいところがある。

 

またこれをグローバルスタンダードを考えると、どうしてもそれを主体的に開く側・迎える側のスタンダード(姿勢)で物事が進められるから、そこでいう「ダンスのうまさ」は必ずしも絶対的ではないとは思うのだけれど、「身体を上手に動かす能力」という観点においてはやっぱり日本人は劣っているのかもしれないなと感じる。でもそれは、良し悪しが優劣がどうこうする訳ではないの気にしなくてもいいことなのだけど、上手に使いこなせれれば自分の身体にいいことがあるのは、可能性として考えれば間違いなく高いと思っている。

 

耳から入ってくる音楽を頭だけ振り回して聴くのはいい。それもありかもしれない。でもそれは本場の彼らからしたらすこしおかしい、となるわけ。こんなことに日々気をつかってもなんもいいことはないけれど、気にした分だけ彼らの動き(Movement)を見てみると、これがまた結構面白いんだ。というわけで紹介しよう。以下のリンクは僕が一番ともいえるほど好きな映画の一番ともいえるほど好きなシーン。

 


The Intouchables - Dance Scene [HD 1080p]

 

ダンスというのは踊ることを意味するのだけど、動きそのものをすこしでも強調して表現するというだけでも、その魅力はより引き立たせられる。動きの中でただ横に縦にステップをすることも、たとえば右からだして左を出さずにまた同じ右を出すだけで「ただ移動するだけのこと」に違いをつけられる。

 

その場で動くなら腰をただ前後や横に振るだけでもいい。なにかを強調して普段と違った動きを付け加えるだけで、それは踊りに生まれ変わる。「振りかえる・振り向く」という動き一つにしても、ただ顔だけを後ろ側に回すだけでなくて、上腕を伝って、臍やわき腹から動かすだけでもちょっとした面白味が生まれると思う。

 

 


Earth, Wind and Fire - Dance, Dance, Dance [HD]

 

 

**付け加えとお節介**

 

なぜ「丹田(臍まわり)」から動かすことがたいせつかというと、正直なところ僕もよく分かっていません。分かっていることは、股関節は人体において最も大きくて、最も力を発揮できる。ということだけです。

 

たとえばお相撲さんがなぜ四股を踏むのかというと、ただのかっこつけや儀礼的な行為ではなくて、あれだけ重い身体のエネルギーを力(ちから)に換えるためにする準備運動だからです。そのためには、最大で最大の力を発揮することのできる股関節から大きく動くことが必要になります。動きというのはすべて「末端部」からではなく「中枢部」から始まるべきなのです。

 

 

姿勢ひとつ変えるのも、背筋を伸ばせばいいと思っているかもしれません。でも僕はちょっと違うと思う。骨盤を正しい位置に「立たせる」ことです。座りながらでも立ちながらでも簡単に出来ますのでぜひやってみてください。自分のでしかないその身体とちょっとだけむきあってみてください。身体をながれる血をキチンとたくさん巡らせましょう!