「僕」と「私」と「わたし」の記録

87パーセントはフィクションです

ベルト

 僕がベルトに触るようになったのは、割と早い時期だった。小3の冬、同級生から誘われたのがきっかけで、スポーツ少年団の野球チームに興味を持ち、翌年の春に入団を認めてもらった。赤と紺を基調としたチームカラーは、当時はあまり好かなかったが、野球が楽しいと思っていくうちに受け入れるようになった。とても単純で、且つアホらしい理由である。入団と同時に、ユニフォーム一式を買い揃えてもらい、練習試合を含めて試合の日は欠かさずに着て行った。下級生の僕が試合に出ることはまずなかっただろうに、毎度、家を出るときには、とてもワクワクしていた。

 

 少し下品な話をするが、許してほしい。小4の春、ある練習試合の日のこと。一つ上の先輩と、トイレをする際、ベルトの留め具を外して行為するか、「社会の窓」と呼ばれるズボンのチャックを開けて行為するか、どちらが効率的かという議論をした。議論っていう議論はしていないんだけれども、小4小5の僕らにしては、少し話し込んだ。結果的に、先輩はチャックを開ける、僕はベルトをきちんと外す、という互いに別の方針を採択することになった。

とてもとてもしょうもないことだけれど、なかなか面白いなと思ってしまった。それも、11年経ってから気づくというところもまた面白い。僕らのチームの先輩たちは、そこそこに強かったらしく、僕が入団した当初、下級生に出番なんて滅多になかった。「応援しろ」と強要まではされないけど、そういった応援して当たり前な空気が流れていて、下級生の僕たちはベンチの後ろに突っ立って、だーだーと訳も分からず、アレンジ済み使い古しのナンセンスな応援歌を謡わされる羽目になる。     

でもそんなことでも楽しかった。

そして、ついさっきトイレをしている時、無意識的にスーツのチャックを開けて行為したことで思い出される。あの晴れた日の練習試合、攻守交替の時、先輩とそんなしょうもない議論をしたなぁと。突如フラッシュバックし、トイレでひとり声をあげて笑ってしまったのである。

 

以上。

 

 

 

 

【追記】

Perfume 樫野有香 (かしゆか)さん、天皇様、御生誕おめでとうございます。