「僕」と「私」と「わたし」の記録

87パーセントはフィクションです

赤子が泣き止む時、女は電話する

夜十時、赤子の泣き声が住宅地にひびきわたった。私は戸を閉めて眠りにつこうとした。48分間のジムノペディが終わりを迎える頃、私はまだ眠れずにいて、もう一度だけ戸を開けた。網戸越しに入ってくる夜風が気持ちよかった。どうやら赤子は泣き止んだらしい…

ほんとわたし

本屋に行くと本を買ってしまうからダメだ。 この頃は浮かれてるからなのか何なのか、本屋を見かけるたびに立ち寄り、買ってしまう。本を。特に雑誌が多い。 初めは、雑誌の出版社に勤めるものとして雑誌を読んでこなかったのがまずい、と思ってだった。しか…

125800円・「就活生」・スイッチ

太った女はそれと同じくらい太った男といた。小学生ぐらいのからだなら収まってしまいそうな大きさのキャリーケースを引きずっていたが、彼らが持っていると何だかそれは、僕がハンドバッグを持っているぐらいの感覚をもたせた。男と女は背中を合わせるよう…

「埼玉に乾杯」で乾杯しながら見つめたい

振り向くとそこに猫がいた。猫はゆっくりと歩いていて、私を何処かに連れて行こうとした。その先には自動販売機とゴミ捨て場があった。・・・疲れの取れなさに断酒をすると決め込んでから数にち、時間に直すと126時間と少しで私は帰り道、セブンイレブンのホ…

絶景でなくてもいい

ゆみちゃんの話 悪いけど、少しだけ昔話をしたいと思う。ゆみちゃんに絡んだはなしだ。 私はこの頃、こういうことを書こうとする時、単に回想したものをそのまま記述出来るわけではないと感じるようになった。それは何度も。私の中を介在する種々様々な経験…

けっきょくところ、それは全て無意味で

文章を書く作業においては、タイトルが決まってから、これについて書きたいと思い、書き始めるパターンと、内容においてぼんやりと断片的に書きたいと思ってから後付けでタイトルなんて何だっていいやあ、で書くパターンと2つあると思っている。今回はさし…

ホチキスであけた指が痛い

ホチキスで穴をあけた指が痛い。血がぷくーーーーーっと膨らんできて垂れた。オフィスで一人鈍い声を漏らした。久しぶりに血を見た。・・・人には誰だって何に対してもやる気が起きないような一日がある。それが一日だったらいい。一日、二日、三日、一週間…

コメントを受けて

真っ赤なルージュの女がいた - ただの記録でしかない、 村上さんはかつてヘビースモーカーであった自分と決別し、ひいては自分の持っていたバーも手放して、ランナー(トライアスロンの競技者)になり、職業的小説家として成り上がってきた。 いぜん、読書会…

真っ赤なルージュの女がいた

ところで…あなたはいつから走っていたの?いつ屋根のないところに出たの?丑三つ時。 丑三つ時なんて言葉はいまどき誰も使わないわ。それじゃあ、新聞の配達が始まる頃。 だから、ずぶ濡れなのね?そうだろうね、きっと。 きっとってどういうこと? 僕の中で…

サクセスストーリーのゆくえ

通勤電車、満員電車、いつ何時も気を抜けず、気を抜いたらその瞬間訴えられかねない。ドラマのような、映画のような、ワイドショーの中のみっともないニュースのような出来事は本当に起こりうるんです。ええ。私はね、とにかく上を向いていて、「あなた」に…

カルテッーーーーーーーーーート!

僕は別に「ビジネスのために新聞を読んでいるのではない」。ビジネスに読もうが趣味で読もうが、暇つぶしに読もうが関係ないと思うんだけど、どうしてそう、何もかも押し付けるんだい?それが40年前にあたらしい社会を作り上げてきた君らの悪いところだ。 他…

真夜中のドアと母の日ありがとう

Matsubara Mikiの真夜中のドア、なんていい歌だろう。 ファンクと聞くと黒い肌の人たちが腹や胸を大きく膨らませたり凹ませたりして、声色高らかに歌うイメージがあった。確かにあいつらには敵わない。どうやっても。 でもここでそんなのは関係ない。私の国…

わからないことを誰に聞けばいいかを見極めること

林先生は「仕事原論」で、若いうちは金を(多少荒くてもいいから)めいっぱい使え、といった。いい歳になって品のない使い方はみすぼらしいからだという。金の使い方は訓練と教養がいるらしい。それが無いと、成金のような、金太郎飴みたいに同じような、見た…

山形県 山形市 石田ゆり子町

バックミラーをのぞくとそこに石田ゆり子が写っていた。肌は白く、緩やかにウェーブした茶色い髪はよく似合う。白いブラウスは、シワ一つついていないように見え、清潔感をあたえた。とても綺麗だった。引き続き私は車を走らせた。バックミラーから分かった…

胸、イズノット・ポータブル、機能的な駅

僕の書く文章は特に読みにくい。脈絡がなく、なんの予告もなしに場面は切り替わるので、前後の文章の関係がとても読み取りにくい。これじゃあ国語の評定は晩年3であるに決まってる。たとえば誰かの小説だと、その脈絡のなさが会話文や、主人公の背景、思想な…

世間って狭いもんですねえ

都内で電車で乗っている時に一度、音を録ったことがあった。それは、目の前に気になる会話があったからではなく、とはいえ有名人がいたわけでもなかった。ただ、いつも聴き慣れている音を、自分の部屋で聴いてみたらどんな気分になるのか、気になった。心地…

春はとっくに過ぎました

今日ぐらいは好きなことを書く 「隈」 毎日、パソコンに向かっています。ここさいきん、調査だったり課題やらに追われていて少し疲れました。課されたテーマに対して、思ってもいないことや「それは無理だろ」というようなことを書いていると、自分がひどく…

買って満足する

この頃は、9時あたりからあやしくなって、10時ごろにぷっつり電源が切れます。閉店ガラガラってまぶたのシャッターが、、、満員電車から降りるとき、まず先に思い浮かぶのがコーラ。コカコーラをすぐ買います。あれは箱買いした方がいい。ところで土曜に自転…

オペラ セイグッドバイ

www.youtube.com 5冊ぐらいの本をザーッと読んでいて、いろんな角度から降りてくるインスピレーションをいっしんに受け止めた。ああ、なんだっけこの歌…。「say goodbye」ってフレーズしかわからん…。とか思いながらページをめくっていると、集中できなくな…

会社について

私がこの春から通う会社は、社長と編集長が夫婦で立てたものだ。お二方は現在も健在でいる。1975年に創立し、その翌年月刊『ランナーズ』を創刊した。スポーツ雑誌の出版社の中では、いわゆる老舗に数えられる。 月曜日、社長・編集長と新入社員で会食をした…

ペグシル と トレーニングメニュー

「競馬場でも行ったんか?」 「え?」 不意に聞かれて戸惑った。男は少し間を置いて、 「それつこてるやん。なんで持ってんの?」 「どうしてだろう。」 少し僕は考えて、誰かにもらいました。と答えた。 この簡易鉛筆の名まえ「ペグシル」って言うらしい。…

裸足でベランダに出ても悪くない季節になった

先月後輩に卒業祝いといって、万年筆をもらった。頻繁にメモしたり、字が汚いくせに何かと「書く」ことにこだわりがある私は、にもかかわらず万年筆のメーカーやブランドには疎くてあまり詳しくはなかった。そのまま開けずにいてもらってから三週間ほど経と…

じゃんけんをしよう

女は徐ろに「じゃんけんをしよう」と言った。奇遇なことに僕もじゃんけんをしたかったので、二つ返事でうなずいた。 「最初はグー、ジャンケンポウ。」彼女の掛け声は明らかに変だった。それでも僕は何も口出ししなかった。 ジャン・ケンポウ? 「君はチョキ…

無駄が愛されないということについて

「今日はよく晴れた一日だった」ということを朝と昼休みと夜空の情報からしか話すことができなくなった。食堂はビルの五階にあってそこは最上階である。三方向がガラス張りになっていて、北東には東京タワーとその向こうにスカイツリーがよく見える。懲りず…

「信号ってあんまり臭くないんですね」

文字で表現するのが難しい。「朝の1分」が惜しい。それでも表現することが何か意味があるものだと思って、とりあえず書き残しておこうと思った。(その理由を説明しようとしたら朝の時間だけでは事足りないのです。)・・・私はプールの出入り口狭いところに…

料理とは科学?

・・・手際も見た目も悪いが味はいいチンジャオロースで「料理は科学だ」と理屈を並べる湯川学(福山雅治)を黙らせた・・・ 内海薫(柴咲コウ)は湯川学の前で青椒肉絲を作ってみせた。引用の通り手際も見た目も悪かった。それは油でべちゃべちゃだった。湯…

引き出し・アンダーグラウンド・サラリーマンになること

もし誰かが私をモチーフにして表現する時、私はどう描かれるだろう? どれだけ自由に、思い出の抽斗を開けたり閉めたりできるか、ということをこのぐらいの歳になってやっとわかった。これは記憶力とかそういう問題ではない。なんというか、その、あれだ。 …

「気分が良くて何が悪い?」 What is so bad about feeling good?

時々イヤホンを耳に突っ込んで周りの音を遮断します。周りの世界を自分の身体から切り離します。東京の街中を歩いていると、少し口ずさんだくらいでは誰も振り向きません。みんなが勢いよく歩くから僕もそれにならって勢いよく歩く。そうやって大きなものの…

翌朝のあんパンを楽しみにして私はねむる

周りに合わせてるとかじゃなくて、あした(入社式)緊張しすぎて吐きそうだ。書類やら準備して早く寝よう。ここ数日楽しく書いてた文章を、いま思いっきり投下したかったけれど寝ます。もうひとつお知らせですが、私はこれまで通り変わらずここで文章を書き…

雪の壁と顔のない女

私は寝ていた。それはとても浅い眠りで、妙な感覚に襲われて目を覚ました。その場には前に付き合っていた彼女がいたにもかかわらず、私は誰だかわからない顔のない女性と交わることを考えていた。(というよりもその女性が私を求めており強くいざなおうとして…