「僕」と「私」と「わたし」の記録

87パーセントはフィクションです

「名前」について

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この間、縁あって27歳女性に話を聞く機会を得た。新宿の喫茶店に行った。外にいる間、目印に帽子をかぶってますと言っており、結果店の中で待ってもらうことになったのだが、店内でもずっと帽子をかぶっていた。

彼女は都内に勤務していて、髪は茶色く、柔らかく巻かれていた。巻かないと髪が広がってしまい、落ち着かないという。事前に聞いた「アパレル系だけど店舗じゃない」というのは、服の繊維や材質を研究や審査する協会にいるからだった。

彼女の苗字はめずらしく、私はまだ彼女以外に出会ったことがない。画数はやや多くて、角ばっている。名前の方は5人ほど顔が浮かぶくらい一般的な名前だった。「どんな字を書くのか」という話になり、私は考えた。メールの名前はアルファベット表記だった。彼女の名前は3文字だったので一つずつ漢字をあてていくと「めっちゃかわいいですね」と言われた。それはあなたの名前ですよ、と答えた。

答え合わせをすると、彼女の名前は全部ひらがなだった。そのオチを僕も使ってみたい、と思った。確かに彼女の問いは「どんな字を書くのか」だった。名前の由来を聞くと、父親はかつてその苗字で「お堅い人」というイメージを持たれた経験があって、女の子にはそれがマイナスになるだろうと思っていた。少しでも柔らかくなるように、と願いを込めてひらがなをあてた。確かに彼女の笑顔は柔らかくて、私は合点がいった。同時に、かつての父親の希望は叶っているんじゃないだろうか、と推測した。

彼女には姉と兄がおり、姉の方は彼女同様にひらがなだという。会って早々、とてもパーソナルな話題を持ちかけ、雰囲気を和ませることができる彼女は話が上手いと思った。

お皿とカップの乗った木の机が、その距離が短くなった気がして、私はどぎまぎした。肝心の内容についてだが、ほとんど覚えていない。